Direct-bonding
唾液に触れさせずに、直接樹脂で歯の形を復元する。
ゴムのシートで隔離したまま、色を重ねて形をつくり、研磨は日をあらためて行います。
残っている歯が薄い場合は、削る量が増えても被せ物をお勧めします。
向くケース・向かないケース
ダイレクトボンディングが向く
- 小さな欠けやすき間
- 部分的な変色
- 範囲が限られている場合
- 歯を削る量を抑えたいとき
被せ物をご提案する
- 範囲が広いとき
- 噛む力が強くかかる部位
- 色や形を長く保ちたいとき
- 樹脂は年月とともに色が変わるため
どこまでを樹脂で、どこからはセラミックか。歯の状態と噛み合わせを見て、それぞれの利点と限界をお伝えします。
同じ歯を、何度も治療していませんか
保険のコンポジットレジン修復
- ラバーダム防湿:その手間に費用がつかないため、限られた時間では省かれやすい
- 色:単一の材料で仕上げることが多い
ダイレクトボンディング(自由診療)
- ラバーダム防湿:必ず行う。唾液や吐く息を接着面に触れさせない
- 色:複数の色を重ねて、周りの歯になじませる
治療の結果を左右するものの多くは、あとからでは取り返せません。接着するその瞬間の環境は、私たちが確実に整えられる数少ないものです。虫歯の大きさや部位によって適した方法は変わるので、まず状態を拝見します。
このページに載せている3本は、古い詰めものと虫歯を取り除いたあとの穴が小さかったので、樹脂を選びました。同じところをセラミックで治そうとすると、型が取れる形に整えるぶん、健康な部分まで削ることになります。
正直に言うと、樹脂を選ぶという判断そのものは、この大きさなら多くの歯科医師が同じだと思います。特別な手技ではありません。時間と条件のかけ方は、お伝えしておきます。このページの3本は、ゴムのシートで隔離した状態で、詰め終わるまでに1時間ほどかけています。研磨はその日にやってしまわず、後日あらためて30分いただきます。
私が迷うのは、噛む面の山(咬頭)や、残っている歯の厚みが薄いときです。そこまで薄くなっていると樹脂では支えきれずに欠けることがあるため、削る量が増えても被せ物をお勧めします。削ってみて厚みが足りないと分かった場合は、その場で切り替えのご相談をします。
もう一つお伝えしたいのは、樹脂で収まるうちに直しておくと、将来削る量が増えにくいということです。詰めものはやり直すとき、一回り大きく削ることが多く、繰り返すうちに被せ物にしたり、神経を取ったりすることになります。今回の3本は、その手前で止められる大きさでした。
治療の流れ(4ステップ)
治療前の状態
歯の形や変色、虫歯の状態についてのご要望やお悩みを伺います。
- レントゲン撮影で、虫歯の深さと範囲を確認
- 周囲の歯との噛み合わせの確認
虫歯の大きさや部位によっては、ダイレクトボンディングが適応外となる場合があります。欠損の範囲が非常に広い場合などは、セラミックや金属を用いた補綴治療をご提案することがあります。
写真は、この日に治療した実際の症例です。金属の詰めものが入っていた3本を、白い樹脂にやり直しました(いちばん左の銀色の被せものは、今回の対象外です)。
防湿し、古い詰めものと虫歯を取り除いた状態
- 局所麻酔をします
- ラバーダム(ゴム製のシート)で、治療する歯だけを隔離します
- その状態で、古い詰めものと虫歯を取り除きます
仕上がりと、その後のもちを左右する、いちばん大事な工程です。唾液や吐く息が接着面に触れると接着する力が落ちるため、自由診療では必ずラバーダムを使います。
麻酔が切れたあと、数日は冷たいものがしみることがあります。長引くようでしたらご連絡ください。写真で奥が茶色く見えるのは、長年入っていた金属の色が歯に移ったものです。虫歯ではありません。
詰め終えた直後(研磨前)
- 隔離したまま、材料ごとに決められた手順で接着します
- 樹脂を複数回に分けて詰め、専用の光を当てて固めます
- 防湿器具を取り外し、咬合紙を用いて噛み合わせを調整します
ここまでが、詰めた当日の処置です。当院ではこの日に磨き上げてしまわず、日をあらためて研磨します。防湿している間は歯が乾いて白く見えます。
研磨を終えた状態(1週間後)
- 研磨器具を段階的に使い、歯と樹脂の境目に段差が残らないよう磨き上げます
- 水分が戻った状態で、周りの歯との色のなじみを確認します
ここで治療は完了です。その後は、詰めものの艶や変色、噛み合わせの変化を定期検診で確認していきます。樹脂は経年で摩耗や変色、微小な欠けが生じることがあるため、必要に応じて再研磨や調整を行います。
※掲載している症例写真は実際の治療例です。治療の経過や結果には個人差があります。
自費ダイレクトボンディング治療に関するリスク・副作用・費用について
当院の提供するダイレクトボンディング(コンポジットレジン修復)は健康保険適用外の自由診療となります。
費用目安(1歯あたり)
| ダイレクトボンディング | 40,000円(税込) |
|---|
※費用は治療する歯の本数によって変わります。たとえば本ページに掲載している症例と同じ内容(3歯)を自由診療で行う場合は、120,000円(税込)です。
※参考:同じ3歯をセラミック(e.max インレー/アンレー)で治療する場合は、70,000円×3歯=210,000円(税込)です。削る量も、型が取れる形に整えるぶん多くなります。
※歯の状態(虫歯の深さや神経の状況)により、事前に神経の保護処置(MTA:20,000円)などの追加処置が必要となる場合があります。
※前歯部など、事前に診断用の模型(ワックスアップ)で形を検討する場合は、別途 検査・診断料がかかります。臼歯部の修復では通常かかりません。
保証
当院では治療後2年間の保証を設けています。適用の範囲と条件は、治療を始める前に説明同意書でご確認いただきます。
治療の効果について
ラバーダム防湿を行うことで修復物が確実に長もちする、と言い切れるだけの研究の蓄積はまだありません。詰めもののもちは、その方の虫歯のなりやすさや、修復する面の数にも大きく左右されます。
主なリスク・副作用
- 形を整えたり、虫歯を除去するために一定量の歯質を削る必要があります。
- 虫歯の大きさや進行度、または噛み合わせによって非常に強い力がかかる部位等においては、本治療の適応外となる場合があります。その場合はセラミックや金属を用いた補綴治療(インレーやクラウン等)が必要となります。
- 材料の性質上、経年変化による変色や変質、摩耗が起こるリスクがあります。
- 詰めものが欠けたり、外れたりすることがあります。
- 治療後、日々の歯みがきや定期的な検診が続かない場合、樹脂の隙間から新たな虫歯が発生する可能性があります。
痛みや見た目の変化には、理由があります。
まず検査で「なぜそうなったのか」を確認し、費用やできること・できないことをお伝えしたうえで、治療方針をご相談しながら決めていきます。
気になる症状がある方は、まずは検査からご相談ください。
詳しいプロフィールはスタッフ紹介ページをご覧ください。